医療関係の方へ

はじめに

2015年7月より、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと、小児の希少・未診断疾患イニシアチブ(IRUD-P)がスタートし、同年10月からは成人の希少・未診断疾患イニシアチブ(IRUD-A)が開始されました。この2つの研究プロジェクトは、次世代ゲノム解析を中心として診断確定を目指す、全国規模の研究プロジェクトで2017年度からは統合されて小児から成人までシームレスに対応する体制が整いました。

2018年4月より、本プロジェクトは、第二期を迎え国立精神・神経医療研究センターをコーディネーティングセンターとし、全国37のIRUD拠点病院からの検体を全国5ヶ所のIRUD解析センターにて集中的に最先端の解析を行い得られたデータと症状などを総合的に検討して診断を確定します。またこれらのデータはIRUDデータセンターにて管理され広く活用されることで、更なる診断の確定や原因を究明して新しい疾患概念を確立したり治療法を開発することにも役立てられます。

未診断疾患は、多臓器系統にわたる症状を呈することが多いため、複数の診療科等が協力して診断にあたることが求められます。

わが国では、現在、指定難病の対象疾患拡大に伴い、希少疾患の診断精度向上が求められています。約 9,000存在すると推定されている単一遺伝子疾患のうち、3,000 余りは原因遺伝子が確定されていません(2020年4月現在、OMIMによる)。この現状を把握し、診断スキームの構築、疾患概念の確立、原因解明を推進する必要があります。

IRUD 推進に
当たっての基本原則

IRUD は、個別領域の研究にとどまらず、日本全国の、多様な症状を呈する全ての未診断疾患患者の診断を行う体制を構築することを通じて、診断結果を患者さんに知らせることに加え、患者さんとご家族を支援する環境整備にも資するものです。

公平かつ安定的な制度の確立等を目指し世界にも類を見ない我が国独自の難病対策と連携した取り組みであり、IRUDの関係者は以下の基本原則を共有します。

  • 希少・難治性疾患分野での医療行政との連携を図ります。
  • 多様な疾患に対応可能な、全国で自律的に機能する体制の構築を目指します。
  • 地域の診断連携を意識した研究を推進します。
  • マイクロアトリビューションを意識した研究を推進します。
  • 既存研究と連携し、新規疾患概念の確立等未診断疾患研究を継続します。
  • データ共有を進めます。

マイクロアトリビューション(microattribution)とは、研究を進めるにあたって、患者さん、ご家族、かかりつけ医や大学病院等の医師、看護師、研究者、遺伝カウンセラー等の診療スタッフや研究支援者等、その研究に参加する全ての方がそれぞれ不可欠な貢献を行っていることに着目して、その貢献をきちんと認識し、敬意を払うという考え方です。

IRUDの推進には、参加される全ての関係者の協力が必要不可欠であると考えています。